-ダイモンのブログ-

Windows10でmicroSDを固定ドライブ化、OneDriveフォルダを移動したい!

タブレットスタイルだと、容量が足りないT100TA


管理人のサブPC、T100TAは、タブレットとしてもノートPCとしても使える 2in1 スタイルのPCです。

892_image_KBdiDcdt.jpg

このシリーズは、容量によっていくつか種類があるのですが、私の「ASUS T100TA-DK532GS」は、タブレット部分に32GBのeMMC(SSDの安価版みたいなやつ)、キーボード部分に500GBのHDDが内蔵されています。

つまり、ノートPCスタイルの時は、Cドライブ32GBに加えて、Dドライブ500GBが使えるのですが…
キーボードを切り離して、タブレットスタイルで使う時は、32GBしか容量がありません。


購入してからすでに1年半、ほとんどノートPCスタイルで使っていたので、大きな問題はありませんでした。
しかし、先日Windows8.1からWindows10にアップグレードしてから、時々タブレットスタイルでも使うようになりました。
T100TAを、Windows10にアップグレードしました

こうなってくると、容量32GBは結構しんどい。
特に、Windows10では、OneDriveフォルダの「オンラインでのみ使う」機能が削除され、同期するファイルをあらかじめ選択する方式になりました。
これは、容量の少ないPCには厳しい変更。。


そこで今回、64GBのmicroSDカードを購入してタブレットに挿入し、容量の増強を図ることにしました。
そのうえで、OneDriveフォルダをmicroSDカード上に設定して、PC本体の容量を圧迫しないようにしたいと考えたのです。


OneDriveフォルダは、SDカード上には設定できない…


OneDriveフォルダの場所を変更するには、いったんOneDriveとPCの連携を解除したのち、再度OneDriveの設定を行います。

(Windows8.1までは、OneDriveフォルダを右クリック→プロパティ→場所 で変更できたのですが、Windows10では手順が変わりました。)
150902a-slink16.jpg

ところが、SDカードにOneDriveフォルダを指定しようとするとエラーが出ます。
150902a-slink23.jpg

理由は簡単。
リムーバブルディスク(USBメモリやSDカード)には、OneDriveフォルダを指定できない仕様になっているんですね…

そこで、リムーバブルディスクであるSDカードを、ローカルディスクのように扱う方法を探ることにしました。

SDカードを固定ドライブ化する、4つの方法


今回の問題を解決するには、Windowsに「SDカードはローカルディスクである」と勘違いさせれば良いわけです。

調べたところ、そのための方法は大きく4つくらいあるようです。

①Hitachi Microdrive Filter Driverを用いる

 これは旧来、USB外付けHDDにインストールできないソフトウェアを、無理やり外付けHDDにインストールするために利用されていた方法。
 デバイスドライバを書き換えて、あたかもローカルディスクであるかのようにWindowsに勘違いさせます。
 とりわけ、ローカルディスクにしかインストールできない一部のエロゲが、外付けHDDやUSBメモリにインストールできるようになるということで、一部では有名。

ただ、セキュリティ対策のためWinodws8以降では、デジタル署名のないデバイスドライバの利用には制限があります。これが原因で、「一時的にドライブが見えなくなってしまう事があるようです」との報告があったので、今回は別の手法を用います。
Windows7までのPCなら問題なく利用可能。

MicroSD(リムーバブルディスク)のローカルディスク化
miix2 8のmicroSDをローカルディスク化する。
USB固定とか~グラボpgrとか~


②SDカード上にVHD(仮想HDD)を作成し、マウントする

 SDカード上にVHDファイル(仮想HDD)を作成し、PC起動時にマウントする(HDDとして認識させる)方法。
 マウントされたVHDファイルはローカルディスクとして振る舞うので、当然OneDriveフォルダを指定することもできます。
 容量の少ないタブレットPCの普及によって、この方法を使う人が増えているようで、PC起動時に毎回行う必要のあるマウント作業を完全に自動化するツールも、ネット有志によって公開されている模様。

ただ、VHDファイルでは読み込み・書き込みのパフォーマンスがやや低下するほか、初回のVHDファイル作成にずいぶん時間がかかります。いずれもそれほど大きな問題ではないのですが、もう少し手軽な方法はないものかと、検討を重ねることに。

Windows10のOnedriveフォルダは移動できない?
TransBook Chi T90CHI-64GSのストレージを補う!!SDカードを仮想ディスク化するのにオススメの方法を紹介します


③シンボリック・リンクを利用する

 シンボリックリンクとは…
 イメージとしては、システムに深く根差した"ショートカット"のようなもの。
 通常Windowsでは、右クリック→ショートカットの作成 で、ファイルやフォルダへの"ショートカット"を作成できますよね。
 作成された.lnkファイルをクリックすれば、該当のファイルやフォルダを参照できるわけです。

 シンボリックリンクはもう少し高機能で、フォルダやファイルが「あたかもそこにあるかのように」振る舞います。
 フォルダのエントリポイントだけをCドライブに残し、その中身(ファイル実体)はSDカードに移動することが可能になるわけ。
150902-link7.png
↑シンボリックリンクは、あたかもそこにフォルダがあるかのように振る舞う。
 「OneDriveフォルダの皮をかぶったどこでもドア」、みたいなイメージ。システムは、CドライブのOneDriveフォルダにアクセスしているつもりなのに、実はDドライブに転送されているのだ。

 フォルダへのシンボリックリンクは、管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、 mklink /d コマンドで作成します。WindowsVista以降で利用可能。
 なお、シンボリックリンクは、NTFSのリパースポイントという技術を用いているので、シンボリックリンクの置き場所(上の画像ならCドライブ)は、NTFSである必要があります。(通常システムドライブはNTFSなので、気にする必要はありません)

ただ、今回この方法でOneDriveフォルダをSDカードに設定しようとしたところ、冒頭と同じエラーが出て失敗しました。どうやら、OneDriveではシンボリックリンクが利用できない模様。
詳細な手順は後述。

Windowsスマートチューニング シンボリックリンクでアプリを別ドライブに待避させる
『Dropbox』フォルダ内にないファイルやフォルダを同期


④マウントポイント(ジャンクション)を利用する

 Windowsの「ディスクの管理」から、「次の空のNTFSフォルダにマウントする」を利用することで、マウントポイントを作成します。
 実際にマウントポイントを作成してから気付いたのですが、これは実のところ裏で「ジャンクション」を作成しているようです。

 ジャンクションとは、シンボリックリンクの旧バージョンのようなもの。シンボリックリンクと同じように、Cドライブに「OneDriveフォルダの皮をかぶったどこでもドア」を作成することができます。シンボリックリンクとの違いとして、ファイルへのリンクは作成できない点等があります。
シンボリック・リンクとジャンクションとハードリンクの違い
リンクいろいろ

 ジャンクションも、シンボリックリンク同様NTFSのリパースポイントという技術を用いているので、ジャンクションの置き場所(上の画像ならCドライブ)は、NTFSである必要があります。(通常システムドライブはNTFSなので、気にする必要はありません)

今回、この方法でOneDriveフォルダをSDカードに設定することに成功しました。詳細は後述します。

Windows8.1タブレットにて「microSDカードをHDDとして取り扱う方法」を試してみました
ディスク・ボリュームをほかのボリュームのフォルダに割り当てる方法(NTFSのリパース・ポイント機能を利用する)
microSDカードのHDD化 - フォルダへのマウント(低難度)

なお、前述のようにシンボリックリンクが利用可能になったのは、WindowsVista以降。XPまでは存在しなかったので、古い文献ではリパースポイントとマウントポイント(ジャンクション)を同一のものとして扱っていることがあるようです。
リパース・ポイントとは - Windows用語集

(失敗した方法)シンボリックリンクの作成手順


今回購入したmicroSDXCカードは、Amazonで安かった64GBの「Team Micro SDXC UHS-1」
購入時のファイルシステムはexFATでしたが、一応NTFSでクイックフォーマットしておきました。exFATのままでも、特に問題はないはず。
150902a-64GB_SDCard.jpg


では、Cドライブにあるユーザーフォルダ内のOneDriveを、Eドライブ(SDカード)にリンクしてみましょう。

まず、SDカード上にリンク先の実体フォルダを作成しておきます。右クリック→新規作成→フォルダー でOK.
151011-folder.jpg

シンボリックリンクは、コマンドを実行する際に自動生成されますが、リンク先の実体フォルダは、このようにあらかじめ手動で作成しておく必要があります。
でないと、作成したシンボリックリンクをいざ開こうとすると、こんなエラーが出て「リンク先が見つからねーぞゴラァ」って怒られますw
150902a-slink3x.jpg


次に、シンボリックリンクの作成。
コマンドプロンプトから作成します。管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、次のコマンドを入力。/dオプションでは、フォルダ(ディレクトリ)へのシンボリックリンクを作成します。
mklink /d "シンボリックリンク≒どこでもドアの置き場所" "ファイル実体を保存したい場所"

150902a-slink19b.gif

これでシンボリックリンクが作成されました。
早速OneDriveを起動するのですが、前述のように、Windows10のOneDriveではシンボリックリンクが利用できないようで、エラーが返ってきます。
150902a-slink20.jpg
150902a-slink23.jpg

(成功した方法)マウントポイント(ジャンクション)の作成手順


シンボリックリンクはダメだったので、それならばと、マウントポイントの作成に挑戦。結果的に、これでOneDriveフォルダをSDカード上に移動することができました。

まず、Cドライブの任意の場所に適当なフォルダを作成。
今回は、Cドライブ直下に rPoint というフォルダを作成しておきました。
150902b-rPoint1.jpg

次に、スタートボタンを右クリック→ディスクの管理を開き、SDカードを右クリック→ドライブ文字とパスの変更
150902b-rPoint2.jpg

「追加」
150902b-rPoint3.jpg

「次の空のNTFSフォルダーにマウントする」にチェック、「参照」ボタンから、先ほど作成した rPoint フォルダーを選択、「OK」。
150902b-rPoint4.jpg

これでマウントポイントの作成は完了。OneDriveを起動し、設定を行います。
150902b-rPoint5b.jpg
↑このように、Cドライブの rPoint フォルダにアクセスすると、どこでもドアで転送されてSDカード内のファイルにアクセスできるように。
OneDriveフォルダの実体があるのはSDカードなのですが、仮想的に C:\rPoint\Slink_E\OneDriveというフォルダがあるかのように振る舞うわけ。

今回はエラーもなく、成功!
この後、OneDriveに保存しているファイルをインターネットからダウンロードするので、しばらくPCを放置しておく必要があります。
150902b-rPoint7.jpg


なお後日談として…

この設定をした後、PCを持ち歩く際、移動中にSDカードが抜けてしまった(正確には半刺し状態になった)ことがありました。
あわててSDカードを刺しなおしたところ、マウントポイント(ジャンクション)は維持されていましたが、OneDriveとPCの連携が解除されていました。
OneDriveを起動しログインしなおすと、再び問題なく利用できるようになりました。

このときはファイルの破損などもありませんでしたが、精神衛生上あまり良くないので、SDカードが脱落しないように工夫が必要かもしれませんね。。

マウントポイントとジャンクションは同一のものらしい


この後、コマンドプロンプトのdirコマンドで見てみると、Cドライブに作成した rPoint フォルダは、JUNCTIONと表示されます。
どうやら、マウントポイントの作成は、実のところ裏で「ジャンクション」を作成しているみたい。
150902b-rPoint10c.jpg

ついでに、シンボリックリンクはSYMLINKD、普通に右クリック→ショートカットの作成 で作ったショートカットファイルは、***.lnkという形で表示されます。
150902a-slink7b.jpg


今回のように、シンボリックリンクやジャンクションを利用すると、本来はCドライブ上にしか置けないファイルやソフトを、SDカードやUSBメモリ、外付けHDDにインストールすることができるようになります。

また、例えばiTunesの音楽ファイルをCドライブに保存しているけれど、容量がいっぱいなのでDドライブに移動したいというとき。
もちろんiTunesの設定を変更して、音楽ファイルの保存先をDドライブに設定してもいいのですが…
CドライブからDドライブにシンボリックリンクを張れば、iTunesの設定はそのままで、Cドライブを参照しているはずなのに音楽ファイルの実体はDドライブにある、なんて利用法も可能かもしれませんね。

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この記事に対するコメント

win10の更新ができない
TransbookT100TAMの所有者です。当初からWin10の状態で購入。キーボード部分にある500GBの容量はあくまでもデータのストックでしかないことを購入してから理解しました。64GBのSDカードを仮想HDDとしてマウントするところまではできた(その結果、アプリやソフトをインストール可に)のですが、win10のアップグレードの容量をSDカードに指定すると、「BitLockerで保護されている」メッセージが出て更新できません。これはパソコン全体のBitLockerを解除することでインストールが可能になるのかよく分かりません。お知恵を頂けないでしょうか?

【2017/08/28 11:19】 URL | とんたろう #- [ 編集]

Re: win10の更新ができない
こんにちは、コメントありがとうございます。

今回は、Windows10の旧バージョン(ver 1511 あるいは 1607)から、最新のCreators Update(ver 1703)へのアップグレードを行いたい、ということでよろしいでしょうか。
(現在のバージョンは、キーボードの [Windows]+[r] を同時押し→「winver」と入力→OK で確認できます)

--

ただ、状況が分からない点がふたつあります。
まず、「win10のアップグレードの容量をSDカードに指定すると」というのが今ひとつわかりません。

更新アシスタントを用いて、Windows10 ver1607からver1703へのアップグレードを行う際に、Cドライブの容量が足りない場合。通常、次のような画面が表示されます。
http://blog-imgs-110.fc2.com/b/a/r/bartlettjp/2017082814404275f.png

この手順では、「win10のアップグレードの容量をSDカードに指定する」ことはできません。

とんたろうさまは、どういった手順で「win10のアップグレードの容量をSDカードに指定」されたのでしょうか。
仮に何らかの方法でSDカードに指定できた場合、それをSDカードではなく、キーボード部分の500GBのHDDに指定することはできませんか?
それが可能なら、一番手っ取り早い気がします。


そしてもうひとつ、「BitLockerで保護されている」というのもやや疑問ですね…
BitLockerは、Windows10 Proでしか利用できないはず。
とんたろうさまがお持ちのT100TAMはわかりませんが、少なくとも私の所有するT100TA-DK532GS(当初はWindows8.1だったものをアップグレード)は、Windws10 Homeなので、BitLockerは使えません。

もし仮想HDDとしてマウントする際など、何らかのきっかけでSDカードにBitLockerがかかってしまっている場合でも、上述のようにキーボード部分の500GBのHDDに指定することで回避できませんか?

(私は結局、この記事の②仮想HDD は試さずに、④マウントポイント を用いて容量不足を解消したので、仮想HDDについてはよくわかっていないのです。加えてBitLockerも利用した経験がなく。お役に立てず申し訳ない。。)

--

ただ、解決法はほかにもあります。
もしキーボード部分のHDDでも無理だった場合…

MediaCreationToolを用いて、USBメモリやSDカード、キーボード部分のHDDに「ISOファイル」をダウンロードしてマウント、そこからアップグレードするという手もあります。
参考:http://johokankyo.com/windows/tablet1703upgrade/

(途中、使用するメディアを選択する際に「ISOファイル」ではなく「USBフラッシュドライブ」を選択すると、USBメモリの中身はすべて消えます。ご注意ください)

一度お試しください。

【2017/08/28 15:43】 URL | Emmett(管理人) #ZGh9VqZw [ 編集]


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近畿圏に生息、ついにティーンエイジャーを卒業してしまった男。

【趣味嗜好】
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そろそろ新しいPC組みたいなー、と思っている今日この頃。

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