-ダイモンのブログ-

『君と彼女と彼女の恋。』から、エロゲのUSB移行を考える



■君と彼女と彼女の恋。(Nitro+)
ブランド公式:http://www.nitroplus.co.jp/
作品公式:http://www.nitroplus.co.jp/game/totono/

ニトロプラス新作エロゲ『君と彼女と彼女の恋。』初回版のメディアはDVDではなくUSBメモリらしい
[追記]◆「君と彼女と彼女の恋。」メディアをUSBメモリにしてみた
[追記]◆『君と彼女と彼女の恋。』で、USBメモリにするメリットって何なの?


ニトロプラスとしては久しぶりのエロゲ、『君と彼女と彼女の恋。』

ヒロインは2人だけとフルプライスエロゲとしてかなり少なく、主人公との三角関係の中で、彼はどんな未来を選ぶのか…
といった感じの話になるようですが、そこに関してはまだまだこれから情報が出てくることでしょう。

今回注目するのはそこではなく、その販売メディア。
なんと、DVD-ROMではなく、USBメモリでの発売となるそうです。

そういえば先日、『D.C.Ⅲ』もUSBメモリ版が発売され、twitterでエロゲのUSBメモリ化についていくらか議論がなされていたようですね。



■D.C.III DASH ~ダ・カーポIII Ver.1.3 ~
USBメモリ版(CIRCUS)

ブランド公式:http://circus.nandemo.gr.jp/
作品公式:http://circus.nandemo.gr.jp/sakuhin/dc3_usb/index.html

美少女ゲームのUSB化はアリ? ナシ? - togetter
美少女ゲームのUSBメモリ版ってユーザー的にはどうなんでしょう? - togetter
エロゲがUSBメモリ版になったら… - 家宝は二次元
エロゲがUSBメモリ版になったら… - あんりずむ


そこで今日は、「エロゲのUSBメモリ移行が進むなら、こうしてほしいなぁ…」って妄想を、ダラダラと書き連ねてみようと思います。

なお以下の文章の多くには根拠となる明確な数字・ソースなどなく、基本的にネット弁慶な管理人の主観に依るものなので(苦笑)、場合によっては話半分で読んでくださいね。
ちなみに、管理人のエロゲ観測範囲は、ほぼ泣きゲー・キャラゲーを中心とした純愛学園ものだけです。抜きゲー・同人界隈のことはまともに知りません。




今現在、エロゲ販売のほとんどはパッケージ販売。DVDメディアによる販売です。
最近では、徐々にダウンロード販売も普及しつつあるようですが、まだまだ利用経験のある人は少数派でしょう。

そこで出てきた、USBメディア。
パッケージ販売における、DVDの次のメディアとしては、まぁ妥当なところだと思います。
Blu-rayという選択肢もありますが、最近ではUltrabookを始め、バッテリー消耗やハードウェアの小型化、軽量化の観点から、光学ドライブを搭載しないPCも増えてきています。

そもそも、現状エロゲーマーの中でBlu-rayドライブ搭載PCを使ってる人は多分そんなに多くない。
それなら、PCには必ず搭載されているUSB端子を使おうぜ、となるのは当然の帰結。


ちなみに…
これはWindowsの話じゃないので、エロゲは関係ありませんが。

先日発売され、「薄すぎてヤバい」と話題になったAppleの新型iMacなんか、デスクトップPCでありながら光学ドライブを搭載していません。
(なお、Ultrabookの先駆けとなったMacBookAirでは、2008年の発売当時から光学ドライブを搭載していない)

必要なときだけ外付けDVDドライブを用意すれば、それで十分。
その程度には、Blu-rayも含めた光学メディアは、過去のものになりつつあります。


ただ、エロゲの販売メディアをUSBメモリへ移行するには、いくつか問題があるんじゃね…?というところで、今回のお話。





【1、磨耗】

togetterを見てると、やはり「インストール不要なのは良いな」「セーブデータもUSBメモリ内に保存できると管理が楽」って意見がありますね。

しかし、ゲームプレイ時に毎回USBメディアを挿入(装着?)する必要があるとなると、一番心配なのはコネクタの消耗です。
さすがに、ゲームをプレイする数十回の抜き差しでダメになるとは思いませんが、物理的に接触するからには、摩耗や腐食の心配が少なからずあります。

もし中古販売されるようになるとすれば、USBの不良はDVDディスクの傷と違って目立ちにくいので、検品が難しいというのもあります。
(メーカー側にしてみれば、中古市場を潰せるのは嬉しいことなのかもしれませんがw)


ちなみに…

すでに発売されている『D.C.Ⅲ』のUSBメモリ版は、中古ゲーム通販のコムショップでは「買取不可」となっています。

>USBメモリータイプのため、買取不可
http://www.comshop.co.jp/g-haku/index.php?jan=4540295002083

オンライン認証があるから、とかではない?
単にサポートが面倒だからかな。


また、ゲームをプレイ中、常にPCのUSB端子に突き刺しておくとなると、USBメモリ本体が突起となるわけで、特にノートPCとかだと、何かの拍子に引っ掛けたりするのも不安要素かな。
DVDみたいに、PC本体に完全に収納されるわけじゃないですからね。

やはりここは、従来のDVD同様、フルインストールに対応すべきかと思います。
2回目以降のゲーム起動には、USBメモリは必要ないという形が理想的
まぁゲームをインストールしたまま中古売却されるのを防ぐため、定期的にUSBメモリを要求するのはアリですが、毎回USBメモリの接続が必要になることは避けてもらいたいですね。


【2、書き換え寿命・自然蒸発】

USBメモリに限らず、シリコンメディアには書き換え寿命が存在します。
クイックセーブなどで頻繁に書き換えをするのであれば、やはりセーブデータはUSBメモリではなくHDDにあるほうが、精神衛生上好ましいw

ただ、最近は任天堂DSやPSVitaといった一般コンシューマゲーム機でも、セーブデータをゲームソフトメディアに保存するのものが多くあります。
そもそも、世の中には10年以上前のファミコンやら64を現役で動かしている人もいるらしいし。
そのことを考えると、ここはそれほど心配する要素ではないのかもしれませんね。

参考。
USBメモリの書き換え限界寿命が来ると何が起きるのか、実際に寿命が来たケースをレポート
NAND型フラッシュメモリ 寿命 - Wikipedia



【3、RAM or ROM】

USBメモリでゲームを販売するのなら、誤ってゲームデータをUSBメモリから消去してしまわないよう、データを焼き付けてROM(Read Only Memory)化することになります。
(※ROMとは、データの削除・新規書き込みができない記憶媒体のこと。DVD-ROMとか)

ここまでは当たり前のことですが、もしセーブデータをUSBメモリに保存するのなら、記憶領域の一部を、書き換えも可能なRAM(Random Access Memory)にする必要があります。
(※ここで言うRAMは、ROMの対義語として。書き込みできる記憶媒体を指す)

そうなってくると、もしかしてそのRAM領域に、ユーザーが勝手にファイルを保存したり出来るようになったりしないんですかね…?

今後もしUSBメモリ版の中古販売が可能になれば、そのRAM領域にウイルス混入、なんてことが起こりえないのか心配です。
一時期猛威を振るったautorun.infウイルスの亜種みたいなのが出てこないか若干心配。
あるいは、悪意を持った人間が、setup.exeなんて名前(自動的に管理者権限に昇格されるファイル名ですし、危険だったらありゃしない)のウイルスを混入させてオークションや中古に流しでもしたら、私は「絶対に実行しない」と言い切れる自信がありません。

まぁオークションや中古じゃ足がつきやすいので、わざわざそんな危険を犯す犯罪者もいないとは思いますが…
先日の遠隔操作ウイルスみたいに、自分から名乗り出るような行為をする犯人もいることですし。

個人的には、従来のDVD-ROM同様、完全に書き込み・改変不可な仕様で販売して欲しいと思います。


ちなみに…

USBメモリ版『D.C.Ⅲ』では、インストール不要・セーブデータもUSB内に保存する仕様みたいです。

◆D.C.III DASH ~ダ・カーポIII Ver.1.3 ~ USBメモリ版
http://circus.nandemo.gr.jp/sakuhin/dc3_usb/index.html

>USBメモリからの直接起動で、インストール不要!即ゲームプレイが可能!
>更にセーブデータもUSBの中にあるから、持ち運びも自由自在!

しかし… 軽く調べてみても、この商品に関するレビューがほとんど見つからない。
実際の使用感とかどうなんでしょうね。
フルインストールの可否、セーブデータバックアップの可否とか、なにもわからん。。


まぁ確かに、セーブデータをUSBメモリに保存することで、どのPCでも続きからゲームをプレイできるのは良いね、って意見も分かります。

でもそれより、セーブデータのためにUSBメモリを中途半端に持ち歩いて、どこかで紛失したり水没したりする危険のほうが、よっぽど恐れるべきことではないですか?
任天堂3DSの『とびだせどうぶつの森』のCMで、「いつも一緒でなくさないDL版もどうぞ」って宣伝してるくらい、やっぱり小さいメディアって紛失しやすいんですよね。
まぁ、USBメモリはDSやPSVitaのソフト、SDカードなんかに比べるとサイズは大きいですが。。

複数の端末でセーブデータを共有したいのなら、DropBoxやSkyDriveのようなクラウドストレージサービスを活用すれば良いだけかと。
そのためには、セーブデータフォルダの作成場所を、ユーザーが任意で設定できるようにしてもらえると非常に便利ですね。
AppDataとか、分かりにくい場所にセーブデータ作るゲームはマジ氏ねって思います。
人によっては、マイドキュメントにセーブフォルダを作られるのが嫌って人もいますが、自分としてはバックアップしやすいのでまぁ許す。


ちなみに…

私はマイドキュメントをDドライブに設定しているのですが。
いつだったかWindows7を再セットアップした際、Dドライブは初期化しなかったので、マイドキュメントにはセーブデータがそのまま残っていまして。
ゲームを再インストールしたら即、続きからゲームをプレイ出来たときにはちょっと感動しましたw

以来、セーブデータの保存先を任意に設定できるゲームでは、あえてマイドキュメントを指定しています。


あ。
あと、紛失という観点では、USBメモリのキャップをなくすことが無いように、なにかちょっと工夫があると良いですねw


【4、購入感・所有欲1~箱のサイズ~】

togetterを眺めてると、驚いたことに「パッケージが小さくなるのは寂しい」「パッケージはデカいほうが興奮する」「箱を並べてニヤニヤするのが良いんじゃないか」って意見がやたら多い。

マジかよ…
エロゲの馬鹿デカイ箱とか邪魔になるだけじゃないっすか…
おっきな方が良いとかお前らドMの変態さんだな…


まぁね。
パッケージを並べて、購入した喜びを噛み締めるってのも分かりますよ。
それに、パッケージのサイズが大きいのは、お店で目立つようにってのもあるみたいですし…
それでも現状、DVDメディアのサイズから考えて、箱デカ過ぎでしょう。
もうちょっと合理的になれよ、と。

ちょっと前だと『Rewrite』とか、他のエロゲより一回りサイズが大きくて、同じ高さの棚に入らなくて「マジ死ねよ」って思ったんですが。
ファンディスクの『RewriteHf!』とか、さらに厚さまで大きくなってやがるし。
(棚に入らないということで、結局『Rewrite』のパッケージはそのままダンボール&押入れ送りです)

通販も増えてきて、倉庫で目立ってもしょうがないんだから、そろそろパッケージサイズについて考え直して欲しいですね。
全てのエロゲが小さくなったら、輸送コストも結構下がりそうなもんだけど。

まぁデカ過ぎることに関しては妥協しても、せめて箱のサイズは統一して欲しいところ。
同じサイズで棚に綺麗に並べれるほうが、眺めるにしても楽しいでしょう?


ちなみに…

冒頭で挙げた『君と彼女と彼女の恋。』ですが。
ゲームのパッケージで「iPhoneを開ける時のようなワクワク感」をやってみたいということで、サイズの小さなUSBメモリを採用したとのこと。

確かに、Apple製品全般に言えることですが、シンプルで美しい、捨てるのではなくずっと取っておきたくなる箱は人気のようです。

どのようなパッケージになるのかはまだ分かりませんが、iPhoneの箱みたいなシンプルで小さいものを目指している、ということでしょうか。

130206_1218~01
画像:コンプティーク2013年2月号

【追記】
『君と彼女と彼女の恋。』公式サイトで、このインタビューの全文が公開されたようです。
興味のある方は是非一読を。
http://www.nitroplus.co.jp/game/totono/interview/01.php


またttogetterでは、特典の資料集とかの話も出てましたね。
確かに、初回特典の画集とかが、パッケージの巨大化に一役買っている部分もあるのかもしれません。
でも、それも含めて、USBメモリに同梱しちゃうってのもアリだと思います。
あるいは、個人的にはあまり嬉しくないけど、パッケージにIDを同梱して、後日ダウンロードコンテンツとして配信するのも、ひとつの手ではないかと。

まぁ特に日本人は紙への信仰が篤い気がするので、電子書籍の普及には時間がかかりそうですが…
エロゲのCG集、グラフィックに限って言えば、資料集の小さい絵、見開き2ページに印刷したせいで真ん中が切れてる絵よりも、大画面で高解像度の画像を見れる方が嬉しくないですか?
それに、紙の品質が悪くて、ところどころ黒いゴミが入ってる…なんてことも回避できます。
あれ?紙よりも電子化したほうが良いことばっかりじゃね?

130206_1500b.jpg
↑大きい画像を載せようとすると、見開きになってしまう… でも小さい画像になるのもちょっと寂しい、そんなジレンマ。

130206_1353.jpg
↑Noooooooooooooo!!! 小町の白い肌にホクロなんてありませんっ!
(上の画像はいずれも、初回特典冊子ではなく、ビジュアルファンブックのものです)


あと全く関係ないんだけど、特典の話が出たので言わせて下さい。

「予約しないと完全版にならない」予約特典・初回特典追加コンテンツはマジやめろ。
そういうのは、ちゃんとクリア後のご褒美みたいな形で、製品に収録してください。


予約特典は色紙とかポストカードみたいな、物理的なもので良いじゃないですか…
初回特典も同様に、ファンが見て楽しめる原画集・初期設定集や製作裏話なんかにとどめておくべきだと思います。
「その特典がないと作品を100パーセント楽しむことが出来ない」ものであってはならない。
作品単体で100パーセント、特典は120パーセントなんだとか言ってる製作者は帰ってくれ。

◆【エロゲ】予約・初回特典で追加要素あるディスク付いてくるのってどう思う?
http://kahouha2jigen.blog.fc2.com/blog-entry-1157.html



【5、購入感・所有欲2~メディアの個性~】

デカい箱と同様に、「DVDのディスクレーベルの絵が好きなので、USBになるのは困ります」っていう意見も見かけました。

まじか。
俺、ディスクレーベルとかほとんど見たことないぞ。
大抵はパッケージ絵と同じ絵使って、ちょっとアレンジしてるだけじゃね?
いや、ディスクレーベルとかあんまり意識したことないし、覚えてないだけかも知れんけど。

あと、「サイズをDVDトールケースサイズにすると廉価版ぽくなるね」って意見もありました。
なるほど、確かにそれは一理ある。

DVDトールケースといえば、一般コンシューマゲームの話ですが。
かつてお店でゲームを選ぶとき、パッケージ裏を参考にしてスゲー吟味したじゃないですか。
ところが最近、PS3のパッケージ裏とか、半分以上がなんか仕様とかメーカーロゴとかに埋め尽くされて、パッケージ裏に何の魅力も無い

ディスクレーベルがなくなると寂しい、ってのは、そういう感覚なのかもしれませんね。


そこで挙がったのが、USBメモリのデザインに凝ってみるのはどうだろう、って意見
なるほど、それは面白い。

BUFFALOがこんなの作ってるみたいですが、これの亜種みたいな形で。
◆キャラクター USBメモリー 「スワッターズ」
http://buffalo.jp/products/catalog/flash/swattears/


こっちなら、金型の流用も出来そう。キーホルダーもいいね。
◆ディズニーパソコングッズコレクション
http://buffalo.jp/products/disney/


USBメモリがヒロインのフィギュアとか、登場するマスコットキャラとかの形になる
中でも一番良いな!って思ったのが、この意見。

twitter
twitter
twitter
(埋め込みだとなぜか表示されないので画像で。クリックで該当tweetへ飛びます)

「ねんどろいど的な形状」
「色んな作品のUSBメモリを、机の上やショーケースに並べたり」


…良いんじゃね!?
USBメモリ版が普及した暁には、是非やって欲しい!

ただまぁ問題としては、変な形のUSBメモリは、横のUSBスロットに干渉する、ってことですね。
グラボみたいに「2スロット占有」「3スロット占有」って書くのかww
また、Ultrabookなど薄いノートPCだと、そもそも底面の机と干渉する可能性も高い。

usb-fig2.png

まぁその辺は、あれだな。
将来は、15~30センチくらいの、短いUSB延長ケーブルを持ってることが、エロゲーマーとして当然の嗜みになるんじゃないかなw

問題は、そんな独自の形のUSBメモリを作ろうと思ったら、おそらくは製造コストが跳ね上がるであろうことですな。


【6、製造コスト】

最後にして最大の問題点。
結局のところ、これにつきるんじゃないでしょうかねぇ。

やっぱりディスクメディアってのは、とんでもなく製造費安いみたいで。
それはBlu-rayも例外ではなく、映画やドラマといった映像配信だって、そろそろ光学ディスク以外のメディア(それこそUSBとか)が出てきても良いと思うけど、やっぱり製造コストの面から、Blu-rayになっちゃう。

以下、いくつか業界内の人らしきtweetを引用させていただきます。

umekomi130209-a.jpg
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umekomi130209-f.jpg
umekomi130209-g.jpg
umekomi130209-h.jpg


ちなみに…

USBメモリ版『D.C.Ⅲ』では、特典としてシールが付くので、好きなヒロインのシールをUSBメモリに貼ってね、ってことらしいです。

でもそんなことしたら、多分数年後にはシールが剥がれてきたり、ベタベタになったりするよね。。


http://circus.nandemo.gr.jp/sakuhin/dc3_usb/privilege.html





【DL販売の現状】

さて、長々とUSBメモリ移行について語ってしまいましたが…
費用などの観点から、今後エロゲのUSBメモリ移行が進むかどうかは分かりません。
では、その更に先を考えると、エロゲの販売形態はどのように変化していくのでしょうか。

まぁ、一番考えやすいのは、冒頭でチラッと出たDL販売でしょう。
DL販売も徐々に黎明期から普及期に入りつつあるようで、とりわけ同人界隈では、DL販売を利用している人もそれなりに多いようです。
先日には、自称売り上げ部数No.1のエロゲ雑誌、テックジャイアン11月号で「Let's登録! 美少女ゲームダウンロード販売サイト!」なる特集が組まれるなど、エロゲーマーの間でも、DL販売への注目は少しずつ高まっているように思います。
◆TECH GIAN 2012年11月号 バックナンバー情報
http://www.techgian.jp/official/tg201211/

さらに最近では、『真剣で私に恋しなさい!』(みなとそふと)のファンディスク『真剣で私に恋しなさい!A』が、パッケージ版の発売よりも前に、先行DL販売が開始されたりしています。
マジ恋Aでは、5本のソフトを次々にDL販売開始し、全て出揃ったところで、将来的には全部入りのパッケージ版を発売予定、ということらしく。
2013年2月現在、一本目のA-1のみ発売中、現状ではDL専売となっています。

ただ、マジ恋Aのような例はあるものの、エロゲに関してはまだまだパッケージ販売の方が圧倒的で。
DL販売は、商業エロゲよりも、同人界隈の方が盛んなようです
同人は商業エロゲよりもパッケージ版の流通量が少ないので、必然的にDL販売に行き着くのかもしれません。
商業でも、ロープライス抜きゲーになると、またちょっと状況は変わってくるのかもしれないな、とも思います。
あるいは、流通からお金借りてエロゲ作ってるから、それを捨ててDL販売になんて行けないよ、ってメーカーもあるんでしょうかね。



【DL販売のメリットとデメリット】

ではここでひとつ、DL販売のメリットとデメリットを考えてみると。


【DL販売のメリット】(パッケージ販売のデメリット)
・いつでもすぐDLできる
・品切れが無く、過去作や、同人も豊富
・製造数を見誤って、不良在庫を抱える危険がない
・邪魔になるパッケージがない
・パッケージが無いので、家族にもバレにくい
・買うとき恥ずかしくない

【DL販売のデメリット】(パッケージ販売のメリット)
・特典商法が出来ない(ヘビーユーザーの複数買いが見込めない)
・パッケージの魅力がない
・ゲスト購入だと、再ダウンロード出来なかったり
・販売サイトが閉鎖したら悲惨
・プロテクトとか、認証とか面倒くさそう
・PC乗り換えの時どうしたら良いの?
・地雷を踏んでも、中古売却できない


ユーザーの側から見た時、やはりDL販売の何が心配って、今後もずーっと必ず再DLできるという保障が無いところですかね。
パッケージ版を持っていれば、DVDドライブとWindowsを搭載したPCさえあれば、半永久的に遊べることを考えると、そこはやはり大きなディスアドバンテージです。

DL販売サイトが閉鎖されたりすると、当然再DLはできません
また、ゲスト購入だと、1週間の期限付きでしか再DLできなかったりするらしく。
そうすると、PCを買い換えたときには、別のサイトから再度購入しなければならなくなったり…
あるいは、ソフト電池などの余計なプロテクトとかライセンス認証ソフトが勝手にダウンロード・インストールされるのが嫌だという人も多いでしょう。

◆ダウンロードショップ、Q&A
http://ha8.seikyou.ne.jp/home/omega/down/situmon_dol.html

また、そもそも再DLが可能な状態でも、他のPCに再インストールする際には、前のPCで認証解除作業が必要になったりすることもあるようで。
それって、PCが壊れたから買い換えました、って時はどうすればいいのさ?
さすがに壊れたPCで認証解除作業はできませんw

そういった時は、サポートに連絡するか、場合によっては再度購入しなければないこともあるようです。
一度購入したゲームが遊べなくなるとか、常識的に考えて有り得ないだろう。。


確かに、今まで特典商法をやってきたこともあってか(?)、エロゲーマーのパッケージ信仰は篤いです。
ただでさえパッケージの方が気に入ってるのに、それに加えて、再DL出来なくなる可能性があるとすれば、そりゃDL販売なんて敬遠してしまいます。
そもそもエロゲは高価なものということもありますし、気に入ったものはずっと手元に置いておきたいと考えるのも当然のことでしょう。

もしかすると、同人は低価格で、万一再DL不可になっても比較的諦めが付きやすいというのも、商業よりも同人でDL販売が普及している原因のひとつなのかもしれません。


【DL販売を普及させるには…】

理想を言えば、iTunesなんかでDRMフリー(コピープロテクトなし。無制限に再生・移動・複製できる)の音楽配信が最近ようやく普及してきたように、エロゲもDRMフリーで販売し、一旦DLしたら複数のPCに自由にインストールできたり、外付けHDDやDVD-Rにバックアップできたりするのがベストですが…
そうすれば、DLサイトが閉鎖しようがPCが壊れようが、データのバックアップさえ取ってあれば再度インストールできますからね。

ただまぁ、友人同士で貸し借りなんてレベルではなく、無制限にコピーされるのでは、メーカーもちょっと困るかなと思うので。
とりあえずは、DL販売サイトの信頼度を上げるところからでしょうね。

例えば一昨年、大手DL販売サイトのDMMが、ライセンス認証ソフトを切り替える際に、十分な告知も無しに再DLを求め、再DLしなければプレイ不可になる、という問題も起こりました。

◆【アクチ】DMM ソフト電池に切り替えのため再ダウンロードが必要 ※期限付き。
http://blog.livedoor.jp/myonkui/archives/3752852.html

さすがにこれを見たら、DL販売でエロゲ買おうと思いませんって…
こういう、ユーザーに不義理なことをしてる間は、DL販売の普及も進まないでしょう。
悪いけども、私もまだしばらくエロゲのDL販売には手を出さないと思います。

あるいは、ちょっと面白いなと思ったのがこれ。

USBメモリが壊れたとき云々は置いておいて(まぁDVDが割れたとき同様、有償交換が現実的でしょう)。
複数のDL販売サイトで横断的に、共通のプロダクトキーみたいなのを発行、どのサイトからでもDLできるようになります、って。

販売窓口となるサイトは別に用意して、現在のDL販売サイトには、ただのミラーサイト・サーバー管理屋さんになってもらう。
(あるいは逆に、販売サイトにはただのプロダクトキー販売窓口になってもらって、全ての販売サイトで共通のDLサーバーを別に用意する、でも良いですが。)
なるほど、それなら多少は安心。

DL先を分散させることで、エロゲ発売直後(特に月末金曜日)のトラフィックにも対応しやすくなるという、二次的なメリットもあります。
でもまぁ、さすがにそりゃ無理だわな…


【エロゲ版Steamを作ればいい!?】

また、USB議論のtogetterでは、Steamの名前も挙がっていました










参考:小売店の重い負担、クレジットカードの手数料の話 - togetter




ただ、あいにく自分はSteamの利用経験が無いので、解説はWikipediaに譲ります。。


◆Steam-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/Steam

>Steamで購入、または、ゲームの使用権を登録してしまえば、インターネット環境のあるどのPCからでもインストール、及びプレイが可能になる。メディアも必要なくなるため、ディスクの保管などの手間が省ける。PCを買い換えたときやシステムをクリーンインストールしたとき、別のPCで手持ちのゲームを遊びたいとき、既にアンインストールした昔のタイトルを再度プレイしたいといった際に容易にプレイ環境を整えることが可能である。

>一度購入すればゲームの転売は事実上不可能となるので、特に対応タイトルで中古パッケージを買うときなどには注意が必要となる。(既に誰かのSteamアカウントに登録されているパッケージは空箱に等しく、これを中古で買ってもプレイすることはできない。) また、製品の購入にはクレジットカードもしくはPayPalアカウントが、初回認証にはインターネット接続が不可欠となるため、これらを使えないユーザーは利用できない。


なるほどー。

自分は、SteamってDL販売と一括管理だけやってるのかと思ってましたが…
どうやら、パッケージを購入してDVDからゲームインストールし、その後Steamを通して認証、ゲームプレイが可能になるという仕様のゲームもあるようですね。

さらに、Steamに登録すれば、ネット環境のあるどのPCでもインストールできるとか。
セーブデータもクラウド管理とあれば、そんなもんUSBメモリで「インストール不要!」「セーブデータもUSB内に保存!」とか喜んでるのが虚しくなります。

で。
自分よく分かってないので、すげー馬鹿な疑問が沸いてきたんですけど…

じゃあSteamでエロゲ販売することは出来ないんですか?ww
いやまぁ、海外サイトですし2次元とかアダルトはタブーなのかもしれませんね。
海外からの圧力でエロゲ規制、レイプレイ事件の再来なんてことになっても困るので、Steamは諦めて、国内で似たようなサービスが始まるのを期待しておきましょう。

[追記]◆エロゲ版Steamが出来ない理由の一つ


【おまけ】

このクソ長い駄文を最後まで読んでくれた暇人根気強いあなたに。
感謝の気持ちをこめて、管理人のピクチャライブラリ「ユニークなUSBメモリ」フォルダが火を噴く。

世の中には、すでに色んな形のUSBメモリがあるんですねぇ…

インスピレーションを刺激される…かもしれない、ユニークなUSBメモリ

上海問屋で売ってるUSBメモリ。ヘッドライトがアクセスランプになってるんだって。

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この記事に対するコメント


変なUSBメモリといえばコレを忘れてはダメでしょうw 
ttp://www.gizmodo.jp/2008/09/usb_67.html

冗談はさておき、Steammのクレカ持ってない人の18歳認証は、ローソンなどのコンビニ端末で使える決済で、店頭決済時に18歳認証必須にすれば良いかと思います(コンビニ側がそういうシステムを受け入れてくれるかは別問題)。

あと資料集に関しては自分の液晶よりも、製作者が印刷した紙を見てOKを出した、きちんと色の出てる紙製資料集の方が良いって人はいるかもですね。

【2013/07/06 17:35】 URL | #- [ 編集]


通りすがりの古参ゲー好きおっさんです

2006年にはすでに工画堂スタジオからUSBメモリ型フィギュアでギャルゲー入れた
「ディアピアニッシモ」ってゲームがあったんだぜ…

【2013/07/14 13:34】 URL | おっさん #- [ 編集]


その昔Play-Gateというエロゲ向けDRMシステムが祖父林の肝いりであったんだが
(ちなみに開発元は祖不倫理事長だったD.O.の佐藤氏率いるパンサーソフトウェア)
ユーザに受け入れられず3年くらいでぽしゃった。
しかも潰れたら無効化するパッチを配るという話も反故にされて他のDLサイトからの優待販売という名の
再購入を期限付きで迫られたのです。

なので、あの頃を知る古参大人買いユーザはDRM付きのDL版なんて絶対に手を出さないのですね。
Alpharomはともかく、誤爆が多くシステムにdllを仕込むStarforceすら忌避の対象でした。今売ってるゲームにStarforce採用のものってないでしょ。
業界人は忘れたと思ってるだろうけど、高齢化が進むエロゲ購入層は忘れてないのですよ。
ソフト電池だって4月末のニトロ作品で落ちた後、ゴールデンウイークの1週間以上復帰しなかった前科があります。

ROM化USBを採用できるのは超大手だけでしょうね。マスターアップから発売まで3ヶ月もかかりますから。DVDならお急ぎ2週間で出来ます。その間次のラインが動いてればいいけど、ないところはその間の人件費でペイラインが上がります。

結局外付けドライブ買ってね、という話になるだけだと思いますよ。

【2013/07/25 00:54】 URL | 名無しの日本人 #- [ 編集]


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Author:Emmett
【生態】
えめっと。
近畿圏に生息、ついにティーンエイジャーを卒業してしまった男。

【趣味嗜好】
オタク、Keyファン。
主にergクラスタだが、AngelBeats!以来アニメも見る。

そろそろ新しいPC組みたいなー、と思っている今日この頃。

詳しくはココ

【連絡先】
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